払戻率変更はやはり穴党に有利! 6/7東京1Rで試算。

前回、先週からのJRAの払戻率変更は人気薄に有利という記事を投稿しました。

では、どれくらい有利なのでしょうか。ちょうどいい題材があったので計算してみました。

対象は、払戻率変更後の東京競馬場での最初のレースとなった6/7(土)の東京第1レースです。

このレース、大雨の不良馬場のせいもあったかもしれませんが、12番人気のスズカプリティーが1着となり、単勝11,750円の大荒れとなりました(詳しいレース結果はこちら)。

さてこのレース、「不良馬場だからやはり先行馬が有利だった」とか「この調子だと安田記念も荒れるだろう」というようにレースそのものについて話題になった以外には特に注目されてはいないと思います。払い戻しを見て「荒れたなぁ」とどよめいたくらいでしょう。

ところが、単勝の払い戻し金額、その前週までならもっと安かったのです。具体的に見てみましょう。

まず、前週までの払戻金の計算式を再掲します。

030305

次に必要となる数字を最初に取得しておきますと、

このレースの単勝投票総数は236,355票。つまり23,635,500円です。

そのうち、勝ち馬の8番スズカプリティーに投じられた票は1,608票、160,800円です。

よって、負け馬に投票された金額は、23,474,700円です(23,635,500円ー160,800円)。

これらを使って計算していきます。

まず第1号算式

勝ち馬は1頭でしたので、この式は、(160,8.00円+23,334,000円) × (1- 18%) =19,381,110円(=T)となります。

続いて第2号算式

こちらは、(19,381,110円 – 160,800円) × 10% = 1,922,031円です。

最後に第3号

こちらは、23,635,500円 × 5% = 1,181,775円 となります。

以上より100円当たりの払戻金は、

(19,381,110円 ー 1,922,031円 + 1,181,775円) ÷ 160,800 ≒ 11,590円となります。

今回の実際の払戻金が冒頭の通り11,750円ですから、160円アップしたことになります。

この払戻金の額から見ればそんな小さい差はどうでもいいと思うかもしれません。しかし、投票した100円以上の差が出るわけですから、継続して穴馬に投資する人にとって、長期的に見たらやはり無視できないものだと思います。

少なくとも、今回単勝の払い戻し率には変更がない、という認識は間違いであることがこれでわかると思います。

そしてこのことは同様に他の券種でも起こっているのです。

まずは、払戻率がこれまでと大きく変更がない馬単と3連複は、人気薄が有利になるという効果がそのまま出ます

それぞれ、変更後と変更前は以下のとおりです。

馬単:199,570円 ← 196,390円

3連複:84,110円  ← 82,780円

払戻率が75%で変更なし思われているのに比べて、結構増えていますよね。

 

続いて、払戻率が77.5%と良化した枠連と馬連は、この75→77.5のプラス分に人気薄効果も加わって、かなり配当が高くなっています。(同じ払戻率のワイドについては後述します)

それぞれ、変更後と変更前は以下のとおりです。

枠連:8,820円 ← 8,410円

馬連:151,600円  ← 144,370円

この2つについては、払戻率が良くなったので配当金が上がるのは当然ですが、仮に払戻率が変わっていなくても配当金が上がっていたことは見落としがちでしょう。例えば、もし今回馬連の払戻率が75%だったとしても、配当は146,710円と良化しているのです。

一方、払戻率が72.5%と下がってしまった3連単。こちらはこの人気薄効果がどれくらいその下げ幅を食い止めてくれるでしょうか。

これについては、実際の払戻額は2,137,750円、変更前は2,176,090円です。さすがに目減りは避けられませんが、仮に払戻率が75%だったとしたら2,211,460円ですから、人気薄効果は一定の歯止めにはなっています。

ここまでに挙げた馬券と、複勝・ワイドは少し事情が異なります

この2つについては、通常のレースでは当たりが3種類あります。払戻金計算の発想としては「ハズレたすべての馬券金額から控除した残りを、当たった人たちで山分けする」という形になります。なので、もともと人気薄にはあまり不利になっていません。よって結果はほとんど変わりません

一部では、複勝は今まで人気薄が来れば従来は好配当も期待できたのに、今回の変更によって80%で固定されるから不利になった、という意見もあるようですが、そこまで言うほどの大きな影響ははありません。細かく言うと、確かに従来の計算式の第1号算式の結果は小さくなりますが、ここまでくり返し述べている第2号算式の人気薄効果が多少やわらげてくれます。そして、ハズレ馬券を当たった人で山分けするという発想は変更後も同じです。

実際に数字で見てみましょう。まずはその複勝から。

変更後と変更前の払戻金は以下のとおりです。

1着12番 2,720円 ← 2,730円

2着5番  670円 ← 680円

3着15番 190円 ← 190円

確かに減ってはいますが、10円の差です。

次にワイド。

5-8   23,970円 ← 22,840円

8-15  6,490円 ← 6,190円 

5-15  1,150円 ← 1,100円

こちらは払戻率77.5%の効果を受けてもろに配当金額が上がっています。

 

いかがでしょうか、すべての券種について見てきましが、穴党にとって美味しい変更であることは理解してもらえましたでしょうか。

あまり触れられていなかった話題なので、頑張って計算してみました。そしてこれからはより自信を持って人気薄の逃げ馬を狙っていきたいと思います。笑

間違いがあればぜひご指摘ください。

感想もお待ちしてます!

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